クエン酸

クエン酸は、疲労回復や活動エネルギーを作り出す働きがある栄養成分です。ここでは、血栓予防への作用や理想の摂取量、多く含まれる食品、上手な摂り方について紹介します。

クエン酸について

クエン酸とは何か

クエン酸は、人間が生きていく上で必要不可欠な栄養成分です。摂取した食べ物から必要な栄養素を体内に吸収、分解させてエネルギーを産生する「クエン酸回路(TCAサイクル)」において重要な役割を担っています。

クエン酸を摂ることで作用する効果を、以下に示しました。

  • エネルギー産生
  • ダイエット
  • 疲労回復
  • 筋肉痛を緩和
  • ミネラルの吸収促進
  • 食欲増進
  • 肝臓の機能改善
  • 中性脂肪・コレステロール値の低下
  • 糖尿病の予防

このように、人間の健康維持において多くの効果を発揮すると言われています。

どう血液サラサラに働くのか

数多くの健康効果をもたらすクエン酸ですが、中でも血液をサラサラにする働きは脳梗塞再発の予防に期待できます。

ストレスや疲れが溜まると、血液中には「乳酸」が多く蓄積されます。クエン酸には、その乳酸の発生を抑制したり打ち消したりする働きがあり、その結果血液をサラサラにします。また、クエン酸の摂取により血液のpHが弱アルカリ性を保つことで血液の流れが良くなり、血栓の予防に効果を発揮します。

クエン酸の上手な摂り方

多く含まれる食品

クエン酸は酸味成分として有名であり、酸っぱい食品に多く含まれています。以下に、クエン酸が多く含まれる食品の例を示しました。

  • 米酢、リンゴ酢などのお酢
  • 食酢を使った料理やドリンク
  • 梅干し、干しあんず
  • みかん、レモン、グレープフルーツ、パイナップル、いちご、キーウィなどの果物

クエン酸を含む食品の一つである「お酢」には、血圧低下や食後の血糖値上昇を緩やかにする作用、内臓脂肪の減少などの効果もあります。血圧、血糖値、内臓脂肪の改善は、動脈硬化の悪化を防ぎ再発予防につながる食品です。

理想摂取量

クエン酸には、理想とされる摂取量や上限摂取量は定められていません。しかし、疲労回復や血液サラサラの効果を発揮するためには、1日15gを摂取することが望ましいと言われています。

たとえば食べ物に含まれるクエン酸量は、梅干し1個に1g、レモン1個に4gほどです。これらの食べ物やお酢を使った料理など、毎日続けられる工夫を考えていきましょう。

摂取の注意点

クエン酸を含む食品や料理は、食用増進の効果により食べ過ぎてしまう場合があります。カロリーの摂り過ぎは、かえって血液をドロドロにする可能性があるため注意しましょう。他にも、摂取する上での注意点があります。

  • 短時間で体外に排出されるため、こまめに摂取する
  • 胃腸が弱い方は、酸味が強いとお腹の張りや胃の重苦しさが出る場合がある
  • 原液の酢は刺激性があるため、希釈したり料理にかけたりして使う
  • 酸蝕歯を防ぐために、クエン酢摂取後はうがいや歯みがきを行う

血液を綺麗にする働きがあるクエン酸は、梅干しや柑橘類、お酢から摂取できます。酸味をうまく利用し、毎日美味しく続けることで血栓予防にも効果が期待できるでしょう。

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※このページの参考文献
『別冊NHKきょうの健康 脳梗塞』最新治療・再発予防・リハビリのすべて
国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター長:岡田靖 総監修
(NHK出版より2016年12月出版)
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※このページの参照サイト
・血液をきれいにするクエン酸効果(健栄製薬公式サイト)
https://www.kenei-pharm.com/general/learn/refresh/3008/
・血液サラサラ(金山ファミリークリニック公式サイト)
http://kanayamafamily.com/生活・ 血液サラサラ
・クエン酸(わかさ生活公式サイト)
https://himitsu.wakasa.jp/contents/citric-acid/
・動脈硬化症(かじわらクリニック公式サイト)
https://www.kajiwara-cl.jp/arteriosclerosis

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