ナットウキナーゼ

ナットウキナーゼは、血栓予防の効果がある酵素です。ここでは、血液への作用機序や理想摂取量、ナットウキナーゼを多く含む食品、上手な摂り方などを詳しく紹介します。

ナットウキナーゼについて

ナットウキナーゼとは何か

ナットウキナーゼは、納豆菌が作り出すネバネバ部分に含まれている、タンパク質を分解する酵素の一つです。納豆は、煮大豆に納豆菌をふりかけて発酵させることで作られます。ナットウキナーゼは、その発酵過程において納豆菌から作り出される成分です。

ナットウキナーゼの効果には血栓症や高血圧の予防、コレステロール値の低下があります。また、エコノミー症候群という旅行者血栓症の予防にも効果を発揮します。

どう血液サラサラに働くのか

ナットウキナーゼは、血液凝固を促すビタミンK2が除去された成分です。血液中の血栓を溶かす働きや、体内が持つ線溶酵素であるプラスミンやウロキナーゼを活性化させる働きがあります。また、血栓溶解を阻害する物質を分解する作用もあり、色々な角度から血栓を溶解することが特徴的です。

ナットウキナーゼの上手な摂り方

理想摂取量

血栓を溶かすために、1日2000FUのナットウキナーゼが目安摂取量とされています。たとえば、納豆1パック50gには1500FUのナットウキナーゼ活性が含まれています。

ただし、時間が経過した納豆にはナットウキナーゼの活性が少なくなったり、ナットウキナーゼの性質上、胃酸の影響を受けやすかったりします。過剰摂取は控え、適切な量を毎日摂ることがおすすめです。

多く含まれる食品

ナットウキナーゼは、納豆のネバネバ部分に含まれている酵素で、納豆からのみ摂取できる成分となります。ただし、納豆を禁止されているワーファリン服用中の方は、納豆からナットウキナーゼを摂ることはできません。その場合、サプリメントや機能性食品から摂ることになるでしょう。

摂取の注意点

ナットウキナーゼを摂取する際に、注意したい点についてまとめました。

  • ワーファリン服用中は納豆禁止であるため、ナットウキナーゼだけを摂取する
  • 夕食後や寝る前の摂取が効果的
  • 熱に弱い性質があるため、納豆は加熱せずに食べる

新しいナットウキナーゼNKCPとは

新しいナットウキナーゼとも言われている「NKCP(精製ナットウ菌培養物)」という、同じ納豆をもとにした注目の成分があります。納豆由来の機能性食品素材ですが、従来のナットウキナーゼとは異なる、バチロペプチターゼFが主成分です。

「NKCP(精製ナットウ菌培養物)」には、次の3つの作用があります。

  • 血液を固まりにくくする作用
  • 血液の粘度の上昇を防ぐ作用
  • 血栓を溶かす作用

血栓を溶かす作用と血液を固まりにくくする作用のエビデンスを持っているナットウキナーゼと異なり、3つの作用全てにおいてエビデンスを持つ成分に「NKCP(精製ナットウ菌培養物)」があります。

「NKCP(精製ナットウ菌培養物)」はビタミンK2が除去されているため血液凝固が起きる心配がありません。「NKCP(精製ナットウ菌培養物)」は、ワーファリンなどの薬剤に対する影響を及ぼさず。納豆菌も除去されていることで、納豆菌独特のにおいやネバネバがないことが特徴的です。

血栓予防に効果のあるナットウキナーゼは、納豆から摂取できます。脳梗塞再発の予防においては、ビタミンK2が除去されたナットウキナーゼを摂ると良いでしょう。

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※このページの参考文献
『別冊NHKきょうの健康 脳梗塞』最新治療・再発予防・リハビリのすべて
国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター長:岡田靖 総監修
(NHK出版より2016年12月出版)
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※このページの参照サイト
・ナットウキナーゼ協会公式サイト
http://j-nattokinase.org/nattokinase/
・ナットウキナーゼ(わかさ生活公式サイト)
https://himitsu.wakasa.jp/contents/nattokinase/
・NKCP(大和薬品公式サイト)
http://www.daiwa-pharm.com/product/nkcp2.html

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