急性期

脳梗塞の急性期についてまとめました。「急性期」がどんな時期か、この時期に行う治療やリハビリの目的・内容とポイント、注意点について解説しますので、お役立て下さい。

急性期と呼ばれる時期について

時期の区分についての科学的な根拠はありませんが、脳梗塞の発症から症状が安定するまでの期間で、発症から1週間から1か月頃を「急性期」と呼び、入院した病院で投薬による治療、合併症の予防とリハビリを行います。

発症後約3ヶ月経過するとプラトーと呼ばれる「回復が見込みにくい期間」になります。回復の見込みがないわけではありませんが可能性が高まるので、できるだけ早期のリハビリ開始が望まれます。

また急性期の回復度を見て、回復期リハビリへ移行します。

急性期に行われる治療

血管が詰まってから時間が経つほど、血流不足で脳組織が壊れる範囲が広がるので、できるだけ早く血管を開通させ、血流不足による組織の壊死の拡大を防ぐ必要があります。発症後4.5時間までを「超急性期」といい、t-PAという血栓を溶かす薬を点滴する血栓溶解療法を行います。また発症から8時間から24時間以内には血管内治療を行います。カテーテルを詰まっている血管に通し、血栓を取り出す治療です。

急性期に行われるリハビリの目的・目標

脳梗塞発症直後、集中治療室にいる時からリハビリを開始し、臥床による廃用症候群の予防と離床を目指し、セルフケアの自立を目標とします。

病状が安定するまでベッドから起き上がれませんが、臥床が長くなると関節が硬くなったり、筋力が弱くなるので、病床でのリハビリは欠かせません。病状が安定したら離床練習を始め、身体の機能を少しづつ回復させながら、日常生活の動作の練習を始めます。

一般的に急性期に行われるリハビリの内容やポイント

関節可動域訓練は、関節の拘縮・変形を防ぎ、看護師・療法士などが介助したり、患者自ら動かします。

機能回復訓練は、手足の曲げ伸ばしから筋力を回復させ、廃用を予防、体を維持します。失語症の場合、失われた言葉の発声訓練なども行います。

離床訓練はベッドから徐々に離れ、生活の範囲を広げます。寝たままでいると心肺や消化器官などの低下を招き、精神上もよくないので、座ったり立ったりする他、車いすに移乗する訓練を行うのです。

座れるようになったら、日常生活動作訓練も始め、食事、着替え、入浴、トイレなどの動作を自力、もしくは介助で安全にできるようにします。

摂食・嚥下訓練では、食べ物を飲み込むことができない場合に、自分で食事を取れるようにします。嚥下機能が低下すると十分な栄養や水分が摂れず、体調不良になったり、様々な疾患を発症してしまう可能性があるので非常に重要です。

この時期に行うリハビリの注意点

脳梗塞のリハビリには、医師や看護師、療法士などの連携が不可欠です。臥床が続いた後、起き上がる際は急激な血圧低下で脳の血流が下がり、症状が悪化する可能性があるため、医師の判断の元、ベッドに寝た状態から徐々に頭をあげます。血圧や心拍数などもこまめにチェックし、ベッド上に座れるようにします。無理をしないことも大切です。

まとめ

脳梗塞の「急性期」は、回復のために重要であり、血栓の治療とリハビリを早い時期から行うことがわかりました。病状が安定するよう無理のないようにリハビリを行いましょう。

脳梗塞のリハビリの進め方と
知っておくべきポイント

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