回復期

回復期という時期について、対応する医療機関、治療、リハビリの目的・目標や内容とポイント、生活の中でできるリハビリやこの時期のリハビリの注意点について解説します。

回復期と呼ばれる時期について

実際の経過は個人差が大きいですが、「回復期」は急性期の後、発症後6か月ほどまでを指し、日常生活や社会復帰に向けたリハビリ、治療を行います。

ただし医療保険を利用したリハビリには、期間が設けられていて、廃用症候群リハビリで120日、運動器リハビリで150日、高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害で180日までとなっています。

回復期に対応する医療機関・施設

医療提供の必要度が高い患者が治療を続ける療養病棟や、集中的にリハビリを受けられる回復期リハビリテーション病棟を中心に、介護リハビリ施設や帰宅後の外来・訪問リハビリという選択肢もあります。

病院により、スタッフの人員や重症患者の割合、治療目標、休日のリハビリの有無、費用などが異なり、6段階の入院料が設定されているので、病院を選ぶ際はそれらの基準やリハビリの充実度などを確認し、適所でリハビリを続けましょう。

回復期に行われる治療

急性期のリハビリが好調でも、筋肉が緊張して手足が動かしずらかったり勝手に動いたり、曲がってしまうなどの「痙縮」が起こる場合があります。痙縮の治療は回復期から実施するのがよく、ボツリヌス菌が作り出すボツリヌストキシンと言うたんぱく質を筋肉内に注射し、筋肉の緊張を緩めるボツリヌス療法や、電気を用いて手足を動かす神経や筋肉を刺激する磁気・電気刺激療法を行います。

回復期に行われるリハビリの目的・目標

心身ともに回復した状態で、自宅での日常生活に戻ることを目標にしており、医師・看護師・介護士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが連携して運動機能や日常生活動作のリハビリや機能訓練、治療を行います。

一般的に回復期に行われるリハビリの内容やポイント

急性期を終え、病状や血圧が安定してきた頃、症状に応じて、日常生活に必要な動作を行うための運動機能や嚥下機能、高次脳機能改善のリハビリを行います。

例えば手すりを使ったり、ロボットを使って脚などの筋肉の動きをサポートし、体を支えて歩行しバランスを修正する歩行訓練や、運動麻痺のリハビリでミラーセラピー、手指や腕の訓練で課題志向型訓練などです。

生活の中でできるリハビリ

日常の動作がリハビリであり、なるべく一人でできるように環境を整えましょう。例えば入浴用シャワー椅子や取っ手付きコップ、傾斜のついた食器などです。

また言語障害のリハビリは、日常の何気ないやりとりが大切なので、家族とゆっくり過ごす時間を持ちましょう。

簡単な家事など家庭内の役割を持つと、会話の機会も増え、自信につながります。

この時期に行うリハビリの注意点

特に日常生活の動作はプロの手助けのある病院の訓練室ではできても、自宅に帰ってみるとできないケースが多くありますので、家族や周囲の人がサポートする方法を知っておくことでストレスが軽減されるでしょう。

まとめ

回復期は心身ともに回復して日常生活に戻れることを目指し、適切な施設で日常生活動作訓練や運動、言語リハビリ、高次脳機能リハビリ、痙縮の治療を行います。周囲の助けも必要となるので、知識を得て環境を整えていきましょう。

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