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脳梗塞を再発させないためにできること

脳梗塞の再発率は高く、再発時のほうが後遺症は重い

脳梗塞は再発率の高い病気です。治った場合でも3年以内に再発する人が約20~30%、10年だと約半数が再発しています(※)。しかも同じ部位で再発することは少なく、別の部位で発症すれば一度目に受けた脳の損傷に加えて二度目にはさらに広範囲に損傷を受けるため、再発では重症化しやすく予後が悪いのも特徴です。

無症候性のケースが多いラクナ梗塞でも、反復や多発するケースでは、脳血管性認知症やパーキンソン症候群を併発するなどリスクが増大します。

(※)脳梗塞の再発率

40歳以上の初発脳卒中患者の410例を10年間追跡したところ、10年以内の再発は49.7%生じていることがわかりました。

10年間の脳梗塞累積再発率 (病型別)

  • ラクナ梗塞 46.8%
  • アテローム血栓性
  • 脳梗塞 46.9%
  • 心原性脳塞栓症 75.2%

※引用元:(PDF)日本神経学会「第54回日本神経学会学術大会会教育講演資料より」
Hata J, et al: J Neurol Neurosurg Psychiatry 2005; 76: 368-372発表
https://www.neurology-jp.org/sokaitiho/neuro2013/pdf/slide/slide4-4.pdf

血栓の予防

血栓の予防には、抗血栓薬が使用されます。抗血栓薬には抗血小板薬とこう凝固薬があります。それぞれ作用機序が異なり、心原性の脳梗塞には抗凝固薬が、アテローム性とラクナ梗塞には抗血小板薬が用いられます。

抗血栓薬には出血のリスクが伴い、特に脳出血の発症には注意を要します。脳出血のリスク要因として高血圧がりますので、血圧管理も併せて行っていく必要があります。抗凝固薬には、昔から処方されているワーファリンの他にNOACという薬が登場し、脳出血のリスクを減少させています。

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危険因子となる生活習慣病の管理

高血圧・糖尿病・脂質異常症は生活習慣病に分類され、動脈硬化の原因となりさまざまな病気の原因となります。食事、運動、禁煙など生活習慣を整え、薬物療法によるコントロールをすることで、脳梗塞の予防や再発に大きく影響します。

生活習慣病をきちんと管理し、動脈硬化のリスクを軽減させるこが脳梗塞の再発予防に直結します。生活の中で、バランスのとれた食事、適度な運動と睡眠、禁煙や節酒などを実践し、生活習慣病の予防やコントロールを継続していくことが望ましいです。

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治療継続・定期的な検査

脳梗塞や生活習慣病の治療継続や、早期発見のための定期的な検査はとても重要です。月一回の通院を継続し、血圧や血液検査の結果を確認して、病気の悪化や再発がないかを早期発見できる環境を作りましょう。また、年に1回程度画像診断を受けるのも早期発見に有効です。脳梗塞も生活習慣病も、内服の効果が分かりづらいですが、継続して服用することが大切です。

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