排尿障害

排尿障害の症状

脳梗塞による自律神経障害で、排尿に関わる神経や筋肉に異常が生じ排尿障害をきたします。急性期には脳浮腫や意識障害の合併により排尿筋の収縮不全による排出障害が起きやすく、回復期には膀胱が不随意に収縮する切迫性尿失禁や過活動膀胱などが生じるケースが多くあります。障害部位によって生じる病態が異なり、尿意喪失、排尿不全、完全閉尿、尿失禁、頻尿、残尿などがみられます。

  • 畜尿症状(畜尿症状):昼間頻尿(8回以上が目安)、夜間頻尿、尿意切迫感、尿失禁
  • 排尿症状(尿排出障害):尿勢低下、尿線分割・散乱、尿線途絶、排尿遅延(排尿開始までに時間がかかる)、腹圧排尿(腹圧をかけないと排尿できない)、終末滴下
  • 排尿後症状:残尿感、排尿後尿滴下

医療機関や施設で行われる排尿障害のリハビリ方法

まずは排尿パターンの観察や残尿測定などで排尿障害の評価を行います。必要であれば薬物療法の治療を開始し、排尿筋収縮筋や尿道抵抗に作用する薬剤を用い、排尿障害の改善を図っていきます。また、男性尿失禁患者にはバイオフィードバックを用いた畜尿感覚、膀胱収縮抑制、随意的な括約筋収縮の習得といった患者教育が有効とされる。さらに、株尿路通過障害にはTUR-P(経尿道的前立腺切除術)が有効です。女性に対しては、骨盤底筋群トレーニングが有効とされています。

自分や家族でできる排尿障害のリハビリ

介助者による排尿誘導により、その人の排尿パターンに合わせた自然な排尿を促すことは本人にも家族にもできる有効なリハビリ方法となります。決まった時間に誘導したり、決まった時間間隔で誘導することで排尿パターンが確立されやすくなります。

排尿障害・リハビリの事例紹介

湯布院厚生年金病院では、リハ・ケアセンターに「排尿リハ・ケアチーム(ゆーりん)が設置され、排尿障害者へ排泄リハケア体操を提供しています。歩ける人、介助で立てる人、介助で座れる人、寝て過ごす人それぞれに合わせたプログラムが用意されています。

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※このページの参考文献
・『全部見える 脳・神経疾患~スーパービジュアル 徹底図解でまるごとわかる! 』 服部 光男 監修(成美堂出版) 2014年5月出版
・『よくわかる最新医学 新版 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血』 高木誠著(株式会社主婦の友社)2018年5月出版
・『患者のための最新医学 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血』高木誠著(高橋書店) 2015年9月出版

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おもな脳梗塞の後遺症と
リハビリの方法

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