感情障害・精神症状

脳梗塞後に起きる精神症状

気分や感情が不安定になる感情障害

脳梗塞後には様々な精神症状がみられることがあります。この中でも感情障害は、感情のコントロールができなくなり「感情失禁」という状態が生じます。 穏やかだった人が急に怒り出すなど、性悪や人格が変わってしまったのかと周囲が戸惑うことも少なくありません。

その他の精神症状

精神症状は感情障害だけではありません。不安や意欲の低下や病識不十分、せん妄や幻覚など症状は多岐にわたります。「脳卒中後うつ」は日内変動がなく、意欲の低下や活動性の減退を特徴とします。高次機能障害による失認や失行が精神症状と間違われることもあり、自発性や積極性が低下して依存的になったり、目に見えない障害を認識することが難しく病識不十分となったりします。また、せん妄や幻覚を引き起こすこともあり、事故の予防や安全の確保が重要になってきます。

医療機関や施設で行われる感情障害のリハビリ方法

心理的肯定的サポート

脳卒中の後遺症としての抑うつ状態は、回復期に一過性に起きるもの、脳梗塞によって誘発されたもの、身体機能障害に対する落胆から生じるものも3つに大別されます。周囲への関心の低さや意欲低下、活動性が乏しく態度が消極的などの特徴があります。周囲からの肯定的サポートをすることが重要になってきます。また、高次機能障害の評価を行い、低下している機能を見極め、患者さんの状態に合わせた介入が必要です。

感情面の動揺に対するサポート

会話の一部分や気になっていることに過剰に反応することで感情面の動揺や感情失禁が起こっているので、その部分を刺激しないなどの配慮が求められます。心理士や専門職による面接やカウンセリングにより、気持ちの落ち込みや不安抑うつなどに介入していきます。

感情障害・リハビリの事例紹介

知的刺激訓練

脳に何らかのダメージを受け、理解力や記憶力、注意力、集中力などに低下が起きている場合は高次機能障害と判断されます。心理的アプローチとして、低下している能力を判別し患者さんの状態に合わせたプログラム作成した上で、個別性を重視して知的能力に刺激を与える訓練を行っていくアプローチがあります。

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※このページの参考文献
・『全部見える 脳・神経疾患~スーパービジュアル 徹底図解でまるごとわかる! 』 服部 光男 監修(成美堂出版) 2014年5月出版
・『よくわかる最新医学 新版 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血』 高木誠著(株式会社主婦の友社)2018年5月出版
・『患者のための最新医学 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血』高木誠著(高橋書店) 2015年9月出版

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おもな脳梗塞の後遺症と
リハビリの方法

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